【進撃の巨人】 never ending dream R18
第21章 咽び泣く~戸惑い~●
「おい。」
そう、後ろから呼び止められ、私は振り返る。
そこには先ほどすれ違ったばかりの、金髪の男の姿があった。
「ずいぶんと小さいな…。
お前、誰だ?
兵士…じゃないだろ?」
身長140cm弱の私に、男はジロジロと舐めるような視線を向ける。
その視線を不快に感じ、私は男の質問に答える事なく、団長室へ向けて歩き出した。
「おい。
お前、エルヴィン分隊長の娘か?」
男の問い掛けに、私は再び立ち止まる。
振り返ると、男はニタリと笑いながら、こちらへと近付いてきた。
「やっぱりそうだろ?
その青い瞳…エルヴィン分隊長にそっくりだ。」
男はじっと私の顔を覗き込む。
「眉毛もそっくりだな。」
そう言うと、男は私の頭をクシャクシャと撫でた。
「やめてよ。」
見知らぬ男に頭を触られ、私は顔を真っ赤にしながら、男の手を払いのける。
そんな私の姿を見て、男は突然大きな声で笑い出した。
「お前、そんなんじゃ友達いないだろ?」
男の言葉に、私は子供心にも何て失礼な人なのだろうと顔をしかめる。
そんな私の頭を撫でようと、男は再び手を伸ばしてきた。
「触らないでよ。」
頭を触らせまいとする私の腕を、男の手が掴む。
戸惑う私へと、男はからかうような笑顔でこう言った。
「俺が友達になってやるよ、“ちびまゆげ”。」