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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第21章 咽び泣く~戸惑い~●


「クレア、もうやめてよ。」



「ダメ。サラちゃんは“女の子”なんだから。
もっと可愛くしなきゃ。」



女子棟の同室で暮らすようになってから、クレアは毎朝、私の長い黒髪を結わえようとするようになった。



女の子らしい服装も髪型も、やはり私には苦手で、毎朝鏡台の前で、私の髪へと櫛を通すクレアが正直嫌で仕方がなかった。



「クレア、やめてあげたら?
サラの髪なんて誰も見やしないって。
どうせ“仲良し”のシャーディス団長としか会わないんだから。」

そう、メラニーは皮肉まじりに言う。



「そんなことないよ。
みんなサラちゃんの事が大好きなんだから。
みんなサラちゃんの事を見てるんだよ。」

と、クレアは天使のような笑顔を返した。



“みんな”って誰だよ?と、私は思う。



学校にも行かず、ただ団長室で本を読み漁るだけの愛想のない子供に、声を掛けてくる兵士などもういない。



弟と私は違うんだ。



「もう、いい。
行ってくるから。」



「ちょっと、サラちゃん。
まだ、終わってないよ。」



私はクレアの手を払いのけ、足早に団長室へと向かった。




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