【進撃の巨人】 never ending dream R18
第21章 咽び泣く~戸惑い~●
この頃には、すでに父との会話はほとんど無かったと思う。
そんな私とは真逆に、学校での出来事や友達の事など、弟は何でも父に話したがった。
延々と続く弟の話に、「そうか。」と、父はいつもの抑揚の無い声でうなずく。
もちろん、その顔に表情は無い。
毎晩続けていた寝る前の絵本の時間も、いつの間にか弟の独演会へと変わってしまっていた。
10歳を過ぎた頃だった。
父は突然、私にこう告げた。
「女子棟に行きなさい。」
私は…父と弟が暮らす幹部棟の部屋を追い出されたのだ。
次の日、私は荷物をまとめ、クレアとメラニーが暮らす部屋へと移動させられた。
荷物と言っても、数枚ある普段着と下着、そして寝る時に必ず着ていた父の大きなシャツくらいだった。
ひとつ気になったのは、ベッドの下に隠してある刀の事。
私がいない間に、分からない場所へと隠してしまうのではないか…そればかりが心配であった。
私を部屋から追い出した意図など、あの頃の私には理解出来るはずもなく、クレア、メラニーとの生活が始まった。
それから、数ヶ月後の事だ。
私は初潮をむかえた。