【進撃の巨人】 never ending dream R18
第21章 咽び泣く~戸惑い~●
数年が経ち、弟は毎日楽しそうに学校へと通うようになっていた。
「勉強は嫌いだけど、友達と会えるのが嬉しいんだ。」と、弟は笑う。
毎朝元気に兵舎から出て行く弟を、私はただ部屋の窓から眺めていた。
私は相変わらず、キースのいる団長室へと入り浸っていた。
例えキースが不在であったとしても、私は団長室のソファーに座り、日が暮れるまで本を読み漁っていた。
兵舎の部屋と団長室。
それが私の世界の全て。
その狭い狭い世界の中、本を読む事により、私はかろうじて外の世界と繋がっていたのだと思う。
父の目を盗み、ベッドの下から刀を持ち出しては、格技場でひとり、剣舞の稽古も続けていた。
あんなに重く、鞘から抜く事さえ出来なかった刀を、私は何とか扱えるようになった。
母を想い、母を感じ、私は刀を振り続ける。
早く母のようになりたい。
幼い少女から…女へと、私は徐々に成長しようとしていた。