【進撃の巨人】 never ending dream R18
第20章 咽び泣く~生き方~
「…リヴァイ。
君は知っていたのか?
ルディガーとペトラの関係を…。」
「あぁ。
1年前の事だ。
ルディガーとオルオを俺の班へと指名したばかりの頃だった。
執務室に集まる俺達の所へ、ペトラが人数分の紅茶を持ってやって来た。
親しげに話すルディガーとペトラを見て、ただの同期の関係で無い事は、その場にいた奴ら全員が感じただろう。
だが…確信に変わったのはだいぶ後の事だ。
前回の壁外調査で…ルディガーが死に際に言った。
“ペトラを頼む”と。
志し半ばで散っていったルディガーの意志を…ルディガーの想いを…俺は背負って生きていかないといけねぇ気がするんだ。」
調査兵団の中でも、最も生存率の高い優秀な兵士の集まりとされるリヴァイ班。
そのリヴァイ班発足以来、初の犠牲者となったルディガー。
そのルディガーの死は、恋人であるペトラをはじめ、リヴァイ班の面々、そしてリヴァイにも大きな傷跡を残していた。
「君がペトラを、特別作戦班へと指名したのはそれが理由か?
自分のそばに置いて守りたいとでも?」
紅茶を一口すすると、サラは真剣な眼差しでリヴァイへとそう問い掛ける。
「いいや、それとこれとは別の話だ。
要は討伐補佐に優れた兵士が必要だという事だ。
組織を乱さず、状況に応じて柔軟な行動が出来る兵士。
そして…“俺達”が信頼出来る兵士だ。
ペトラ以外には思いつかねぇよ。」
そう言うとリヴァイは、机に向かいながら真剣な表情を浮かべるサラを見つめた。
数日前から続くサラの不機嫌な態度も、元をただせばペトラを指名した事が原因であった。
しかし、だからといって他の兵士を指名する気になどなれない。
何とかサラには首を縦に振ってもらわなければと、リヴァイが口を開こうとしたその時だった。