【進撃の巨人】 never ending dream R18
第20章 咽び泣く~生き方~
「分かったよ…認めるよ。」
「…あ?」
「君の班への配属を認める。」
サラはふぅとため息をつくと、引き出しから1枚の書類を取り出した。
「一体どういう風の吹き回しだ?」
突然意見を変えたサラを不思議に思い、リヴァイはソファーから立ち上がる。
書類へと躊躇なくペンを走らせるサラの手元を、リヴァイはそっと覗き込んだ。
『配属通知書』
そこには“特別作戦班”の文字とともに、ペトラの名前が記されていた。
「ただし…条件があるんだ。」
「条件?」
「えぇ。」
そう言うとサラはペンを置き、その青い瞳で真っ直ぐとリヴァイを見つめた。
「絶対にペトラを死なせるな。」
サラの強い眼差しに込められた想いに、リヴァイは「あぁ。」とだけ返事をした。
自分の班へ兵士を指名するという事は、その兵士の命を預かるという事。
そして…仲間や家族、恋人から、その兵士を守る使命を“託される”という事。
リヴァイは自分の責任の重さを、ひしと胸に受け止めた。
「リヴァイ…もうひとつだけ、頼みがあるんだ。」
恥ずかしそうにフっと視線を逸らし、サラがつぶやく。
「…私以外の女とキスをするな。」
頬を赤らめ、青い瞳をわずかに潤ませるサラ。
あぁ、何て分かりやすい女だと、リヴァイは思わず頬を緩ませる。
(もう、我慢出来ねぇじゃねぇか。)
リヴァイは、すねた子供のような表情を浮かべるサラの唇に、そっとキスをした。
唇と唇を重ね合わせるだけの優しいキス。
それだけの事にに、リヴァイの心は熱い高揚感て満たされていった。
トクントクンと波打つ心臓を重ね合わせるかのように抱き締め合う。
ほのかな石鹸の香りがリヴァイの鼻をくすぐる。
リヴァイの腕の中で、サラがポツリとつぶやいた。
「君は…私の“恋人”だ。」
【咽び泣く~居場所~】おわり
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