【進撃の巨人】 never ending dream R18
第20章 咽び泣く~生き方~
「…んっ…だん…ちょ…」
サラはペトラの唇を割り、強引に舌を滑り込ませる。
怯えるようなペトラの舌を絡め取り、激しい愛撫を加えた。
クチュクチュと音を立て、口内を舐め回すと、サラはペトラの頭を押さえつけたまま、その唇をそっと離した。
「どうだ?
気持ち良いか?」
頬を真っ赤に紅潮させ、涙を浮かべるペトラの顔を、サラは冷ややかな瞳で覗き込みながら、低く抑揚の無い声で問い掛けた。
「…わっ…私は…女性に興味はありません…。」
サラはペトラの頭を押さえつけていた手を離すと、腕を組みながらソファーにもたれる。
「私だって、女性に興味など無い。
ただ…君がリヴァイにした事はこういう事だろ?
愛の無い性交渉は、相手の身体を使った自慰行為だ。
“誰も傷付かない”わけがないだろ?
君が恋人の事を“忘れたい”のは勝手だが、リヴァイを巻き込む事は私が許さない。
もし、君が誰かの身体を求めたいと言うのならば、私が相手になるよ。
君がリヴァイ以外の男性兵士にも関係を迫るような事があれば、兵団内の風紀が乱れるだろ?」
そう言うとサラは、うつむくペトラを横目に、ソファーから立ち上がる。
大きな瞳に涙をたくわえ、唇を震わせているペトラを、サラは窓際にたたずみながら見つめた。
ペトラが己の欲望のために、見境無く男性兵士に関係を迫るような人物で無い事は、サラにも分かっている。
他人を思いやる優しさや、争い事を好まない穏やかな心を持ち合わせているペトラ。
だからこそ余計に、多少なりとも過激な真似をしてでも、過ちを正してやらなければと、サラは思った。
そんなサラの視線を避けるかのように、ペトラはうつむいたまま顔を上げようとはしない。
ペトラの長い睫毛の先から、一筋の涙が頬を伝ったその時だった。
「…死んでしまったんです。
前回の壁外調査で…。」
「…え?」
「ルディガー・フリック…。
私の恋人です。」