【進撃の巨人】 never ending dream R18
第20章 咽び泣く~生き方~
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「落ち着いたか?」
「…はい。
団長…申し訳ありません。」
ソファーに座り、赤く腫れた瞼をこするペトラの横へ、サラはそっと腰を下ろした。
「良かったら…飲みなさい。」
そう言いながら、紅茶の入ったティーカップを差し出す。
ペトラはティーカップを手に取ると、どす黒い紅茶に一瞬戸惑った表情を浮かべるが、それを一口飲み込むと「…苦いです。」と、小さく微笑んだ。
リヴァイの執務室から飛び出してくるなり、目の前で泣き崩れるペトラを、サラは団長室へと連れて来た。
一体、ペトラに何があったのか…。
相手はリヴァイとはいえ、男と女だ。
このような状況で想像出来る事といえば、そう多くはないだろう。
サラは苛立つ気持ちを抑えようと、テーブルへ置かれたティーカップへと手を伸ばす。
口へと含んだどす黒い紅茶の苦さに、思わずむせかえるような咳が出た。
「団長は…私が泣いている理由をお聞きにならないのですね。」
ペトラがそうポツリとつぶやいた。
「君が話したくないのならば無理に聞く必要はない。
ただ…君が話したいというのなら、聞いてもいい。」
そう言うとサラは、紅茶を一気に飲み干し、テーブルへとティーカップを置く。
ひどく思い詰めたような表情を浮かべるペトラの横顔を、サラはじっと見つめた。
「…リヴァイ兵長に…キスをしたんです。
“私を抱いて下さい”と。
すぐさま拒絶されましたが…。」
「なぜ、そんな事を?」
そんな事だろうと予想はしていたが、ペトラの言葉にサラはひどく動揺し、心をかき乱すような焦燥感に教われた。
恋人がいるはずのペトラの不可解な行動。
サラの心を徐々に支配していったのは、ただの醜い嫉妬心であった。
「…彼を…恋人を…“忘れて”しまいたかったんです。
兵長と…団長が恋人関係ではないのならば……例え私とリヴァイ兵長が関係を持ったとしても…誰も傷付きませんよね…?」
そう、ペトラが答えた次の瞬間、サラは隣に座るペトラの頭を両手で押さえつけ、その柔らかな唇を激しいキスで塞いだ。