【進撃の巨人】 never ending dream R18
第20章 咽び泣く~生き方~
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「チッ…。」
窓から入り込む風が、机の上に積み上げられた書類をヒラリと飛ばした。
リヴァイは軽く舌打ちをすると、ドアの前に落ちた書類を取りに立ち上がる。
ふと、後ろを振り返ると、窓から差し込む夕日が、山積みにされた机の上の書類を朱く照らしていた。
(もう、こんな時間じゃねぇか…。)
リヴァイは開け放たれた窓を閉め、再び机へと向かう。
しんと静まり返った執務室に、時計の音だけが虚しく響いていた。
“お前ひとりじゃ終わらねぇなら、俺が片付けておいてやるよ。”
いつにも増して高く積み上げられた書類の山に、ひどく頭を抱えていたサラから、書類の確認作業を引き受けてきたのはつい数日前の事だった。
(これじゃあ、セックスする時間すらねぇじゃねぇか。)
山積する雑務から早くサラを解放し、身体を求め合いたい。
そんなリヴァイの淡い下心は、一向に終わらぬ書類の束を前に、もろくも崩れ去ってしまっていた。
リヴァイはペンを片手に、手元の書類へと視線を落とす。
ふと、頭をよぎるのは、数日前のサラとの会話だった。
前回の壁外調査で命を落としたリヴァイ班所属の兵士の後任として、ペトラを指名したリヴァイに対し、「女性兵士が負傷すれば、男性兵士の死亡率が上がる。」という理由のみで頑なに拒み続けるサラ。
(アイツは一体何を考えてやがる。
…イラつきやがって。)
リヴァイは深いため息をつき、机の上へとペンを放り投げる。
腕を組み、大きく椅子にもたれた、その時だった
コンコンコンと、ドアをノックする音がした。
(サラ…?)
いや、そんなはずはないと、リヴァイはドアの向こう側の人物へと声を掛けた。
「入れ。」
「失礼いたします。」
ドアを開け、現れたのはティーカップをトレーに載せたペトラだった。