【進撃の巨人】 never ending dream R18
第20章 咽び泣く~生き方~
サラは書類をまとめると、ナナバが届けた手紙へと手を伸ばす。
封を開け、読み落としがないよう、一通ずつ丁寧に目を通していく。
しかし、そんなサラの頭をよぎるのは、数日前のリヴァイの言葉であった。
“信頼できねぇ奴は俺の班にはいらねぇからな。”
調査兵団に入団して間もないペトラを、リヴァイはなぜ“信頼できる奴”と見込み、特別作戦班へ指名したのだろうか。
確かに、ペトラは討伐の腕は確かであるが、他の男性兵士の中にも同様の腕を持ち合わせている者はいる。
上官と一兵士以上の特別な感情が、そこにはあるのだろうか。
もしそうだとすれば、リヴァイがペトラを“信頼出来る奴”だと言うのは当然の事だろう。
“リヴァイとペトラが恋人関係なんじゃないかって、新兵の間で噂になってるらしいよ。”
恋人関係…。
サラは深いため息をつきながら、机の上へと手紙を放り投げた。
私は…リヴァイにとって、どういう存在なのだろう。
団長。
仲間。
家族。
友人。
いや、どれも違う。
しかし、“恋人”…と言うにはどこか違和感があった。
サラはふと、壁に掛けられた時計へと視線を移す。
その針は午後5時を指していた。
花に水をあげなければ…。
サラはおもむろに立ち上がると、兵団本部中庭の花壇へと向かった。