【進撃の巨人】 never ending dream R18
第20章 咽び泣く~生き方~
込み上げる涙のせいなのか…調査兵団本部へと着く頃、私の胸は息苦しさで溢れ、今にも倒れてしまいそうなほどだった。
本部内を行き交う兵士達に見つからないよう、私は団長室へと向かう。
団長室に行けば、キースがいる。
大好きなキース。
キースならきっと、私のこの悲しみを受け止めてくれるはず。
そう思っていた。
「キース…」
涙でつまる声を振り絞り、団長室のドアを開けたその時だった。
「ダメだ!!
お前が団長になったらやってみろ!!」
耳をつんざくキースの怒鳴り声が飛んできた。
そこには、資料を片手に殺気立った表情を浮かべるキースと、父の後ろ姿があった。
「…サラ?」
キースは私に気が付くと、すぐさま表情を変え、椅子から立ち上がる。
しかし、あまりの剣幕に驚きを隠せない私は、急いでその場から走り去った。
「サラ!!待ちなさい!!」
私を呼び止めるキースの声が、後ろから聞こえていた。
兵舎の部屋へと戻るわけにはいかなかった。
部屋ではきっと、弟とクレアが昼寝をしている時間だろう。
行き場をなくし、途方に暮れる私は、調査兵団本部の端にぽつりと建っている、木造の格技場へと向かった。