【進撃の巨人】 never ending dream R18
第4章 出会い~策略~
「シャーディス教官…私は調査兵団に入り、実際に巨人と戦う事で人類がいかに危うい状況に置かれているのかを知りました。
“財産”も“権力”も“崇高な理念”も…。
そして…あの穏やかな日々も…。
壁の中へ巨人が攻めてくれば、一瞬で全てが消えてしまう…
だからこそ私は…私達は、例えどんな卑劣な手段を用いようとも、巨人から世界を取り戻す努力を放棄してはいけないんです。」
サラの青い瞳がキースに向けられる。
そこには強い意志が込められていた。
「そうか…。」
そう言うとキースは、団長室の机に触れた。
サラ…お前は父親に似ている。
お前を見ているとエルヴィンを思い出す。
俺はエルヴィンに全てを委ねた。
いや…逃げたのかもしれない。
この場所が、俺の居場所だと思っていた事もあった。
俺が 団長にさえなれば成果は出せるのだと。
結局、俺にはそんな力など無かった。
大勢の仲間を殺し、そして…
お前を“兵士”に変えてしまった…。
激しい後悔がキースを襲う。
ここはキースにとって、あまり長居したくない場所だった。
キースはサラを見る事なく、
「話が終わったのなら、私は戻るぞ。」
と言い背を向けた。
部屋を出ようとドアノブに手を伸ばす。
「キース団長。」
振り向くと、そこにはサラの穏やかな微笑みがあった。
「私にとってあなたは…いつまでも“キース団長”です。」