【進撃の巨人】 never ending dream R18
第4章 出会い~策略~
「ニコラス・ロヴォフをご存知ですか?」
サラの突然の問いかけに、キースは感傷的になっていた心を抑える。
「あぁ。壁外調査廃止派の中心人物だったな。
そして、先日行われた議会では突如賛成派にまわったらしいが…。
サラ…まさか?」
「えぇ。ニコラス・ロヴォフ…彼は憲兵団に物資を納品しているラング商会と癒着があり、壁外調査の廃止も予算をそちらに回すためだったようです。」
驚きを隠せないキースに、サラは抑揚の無い言葉で続ける
「私がこの情報を掴んだのは、半年ほど前…壁外調査の廃止が色濃くなり始めた頃でした。
ロヴォフ側が、調査兵団の内情を探るために潜り込ませていた人物を逆に利用し、情報を得ました。
そして、“嘘の情報”を流したのです。
“ロヴォフの横領に関する書類を私が手に入れた”と。
用心深いロヴォフのことです。
まずは書類の存在を確かめるために何らかの行動に出ると考えました。
そして、実際ロヴォフは行動に出た…動けば必ず痕跡が残ります。
それを辿り、本当の証拠を手に入れるのに時間はかかりませんでした。」
「お前は…それがどういう事か分かっているのか?
危険な橋は、お前自身をも奈落に落とすかも知れないぞ…。」