【進撃の巨人】 never ending dream R18
第1章 寒い夜
今日も徹夜になりそうだ。
「ふぅ…」とため息をつき、サラは椅子から立ち上がり団長室を出る。
この季節の徹夜は寒さとの闘いでもある。
何か温かい物が飲みたい。
サラは誰も居なく静まり返った薄暗い廊下を歩き、給湯室へと向かった。
ギィギィと嫌な音を立てる木造の廊下。
ふと、給湯室から明かりが漏れている事に気付く。
誰か居るのだろうか?
サラは給湯室のドアを開け、中をのぞき込む。
その瞬間、中にいた男と視線が交わり、思わず笑みがこぼれた。
「眠れないのか?…リヴァイ。」
「…あぁ。」
リヴァイの手元にはティーカップが2つ並んでいた。
1つには紅茶、そしてもう1つにはただの湯が注がれている。
すぐにサラはそれが自分のために用意された物だと気付く。
“紅茶は苦手だ。私は白湯しか飲まない。”
“何だ?白湯とは?”
そんな会話をしたのは、もう随分と前の事だった。
「リヴァイ…。もし良ければ、私の部屋で一緒に飲まないか?」
「あぁ…。いいだろう。」
ばつが悪そうに、リヴァイはそう答えた。