【進撃の巨人】 never ending dream R18
第19章 咽び泣く~居場所~●
「お姫様は弱いから…お姫様を守る王子様になりたいなんて言っていた時期もあったくらいだ。
だからなのか…私は女性らしい格好が苦手なんだ…。
ピクシス司令の選ぶドレスなんて…私にとっては拷問以外の何物でもないよ。」
リヴァイの髪を洗い終え、サラは手に残った泡を湯で濯いだ。
ふと、自分の胸にもたれかかっているリヴァイの顔を見つめる。
額を出しているせいなのだろうか、その顔はいつもよりも随分と幼く見えた。
「ほら、起きるんだ。泡を流せないだろ?」
サラはリヴァイの身体を後ろから支え、ゆっくりと起き上がらせる。
すると、そんなサラの手を、眠っていたはずのリヴァイが突然握り締めた。
「…お前がこのふざけた夜会に出るのを渋っていた理由はそれだったんだな。」
「何だ、起きていたのか?」
「あぁ。」
「あんな格好は二度とごめんだよ。」と、笑いながら、サラはリヴァイの手を優しく握り返す。
そんなサラへ、「セックスはしやすかっただろ?」と、リヴァイはからかうように問い掛けた。
泡が目に入らぬようにと、サラは丁寧にリヴァイの髪を濯いでいく。
髪から流れ落ちる泡が、リヴァイの首筋から背中へと流れた。
何て色気があるのだろうと、サラは思う。
濡れた艶やかな黒髪からは、石鹸の香りが漂っていた。
「…君の前だけでは、“か弱いお姫様”でも構わないよ。」
サラはリヴァイの濡れた身体にそっとキスをした。