【進撃の巨人】 never ending dream R18
第4章 出会い~策略~
各分隊長が会議室を後にする。
フラゴンはもの言いたげな表情でサラを見るが、キースが側にいる事もあってか、何も言わずに会議室を出て行った。
会議室のドアが閉まるのを確認したキースは、サラにこう切り出した。
「お前は一体どんな手を使って、壁外調査廃止派の意見を変えさせたんだ?」
サラは会議の資料を束ね、椅子から立ち上がる。
「場所を変えませんか?」
サラが微笑んだ。
会議室を出る。
長い廊下を歩いた先にあるもの。
そこは団長室だった。
「普段は使っていないので…。」
そう言いながらサラはズボンのポケットから、鍵の束を取り出す。
サラ自身も、ここへ入るのは久しぶりの事だった。
ドアを開けると、カーテンが閉まっているせいか中は薄暗く、ヒヤリと冷たい空気が流れてきた。
しかし、そこは紛れもなくキースにとっては見慣れた風景であった。
サラは部屋の奥に進み、厚いカーテンを開ける。
キースが調査兵団を去ってから8年。
その間、ここはエルヴィンのものであったはずだ。
しかし、壁際に置かれたソファー、天井まである本棚。
そして、窓を背にして置かれた大きな机。
全てはキースが団長であった頃と何ら変わりのないものであった。
キースはふと、机の椅子の背もたれに何かが掛けられている事に気付く。
調査兵団のマント…おそらくエルヴィンの物だろう。
キースは無意識に目を背けた。