【進撃の巨人】 never ending dream R18
第4章 出会い~策略~
「2ヶ月後に控えた壁外調査では、通常の長距離索敵陣形を展開します。」
長距離索敵陣形。
前後左右が見渡せる等間隔に兵を置き、索敵・伝達範囲を確保しつつ前進する。
前衛が目となり、巨人の位置を全体で把握し可能な限り接触を避けるというものだった。
そして、主な伝達手段は信煙弾。
発射される煙の色で状況判断をする。
巨人を発見した班は、まず赤の信煙弾を打ち上げる。
煙の色を確認した班も同様に赤い信煙弾を撃ち、いち早く中央まで繋ぐ。
中央まで伝わったら、指揮班が進行方向へ向けて緑の信煙弾を打ち、全体の進行方向を決定する。
そして、紫の信煙弾が緊急事態を表す。
「まずはこの通常の長距離索敵陣形を展開しますが、もし前回同様、奇行種が複数現れた場合…。
その場合は黒の信煙弾を発射して下さい。
私とミケが指揮班を離脱し、援護に向かいます。
そして陣形を閉じ、その場から最も近い補給所を目指して下さい。
その間の指揮は、全てシャーディス教官が執って下さいます。」
キースは腕を組んだまま、軽く礼をする。
元調査兵団団長の鬼教官。
兵団内にキースを知らない者はいない。
恫喝ともとれるキースなりの“通過儀礼”は、訓練兵団時代の恐怖の記憶となっている者もいたはずだ。
会議室には普段とは異なる緊張感が漂っていた。
「前回の壁外調査では主力兵士の多くを失いました。
しかし私達はあの惨劇から帰還した精鋭達です。
次回の壁外調査でも、その力を遺憾なく発揮出来ると信じています。
いかなる場合でも最善を尽くしましょう。
私からは以上です。」