【進撃の巨人】 never ending dream R18
第19章 咽び泣く~居場所~●
「スミス団長、場所を変えよう。」
そう言いながら、ディルクはそっとサラの腰へと手を回す。
「私の部屋へ来て欲しい。
ふたりでゆっくり話しがしたい。」
耳元でそうささやくディルクの腹を、力一杯殴ってやりたいと…心の底からサラは思った。
しかし、ここまで来た以上、何としてでも寄付金を受け取りたい。
手ぶらで帰れば、またハンジに何を言われるか分からない。
サラは「えぇ…。私もそうしたいです。」と、恥じらいを帯びた柔らかな表情を作り、ディルクの手をそっと握った。
サラはディルクに言われるがまま、屋敷の奥にあるディルクの部屋へと向かう。
ふと、リヴァイの様子が気になり、サラは先ほどリヴァイがいた場所へと視線を向けた。
そこには女達に囲まれながらも、怒りで顔を引きつらせ、こちらを睨みつけるリヴァイの姿があった。
サラはそんなリヴァイを無視するかのように、ディルクの腕に自身の腕を絡ませ、寄り添うように歩く。
本当に関係を持つつもりなど無い。
ギリギリまで焦らし、寄付金の約束だけを取り付けよう。
そう、サラは思っていた。
「さぁ、入ってくれ。」
ドアを開け、ディルクは部屋へ入るようサラへと促す。
部屋へ入るなり、ディルクの手がゆっくりとサラの尻を後ろから撫でた。
「っ!?」
サラは思わず身体を強張らせ、声にならない悲鳴を上げる。
「怖がらなくてもいい。
今夜は…君の全てを知りたい。」
高まる嫌悪感に身体が硬直してしまったサラの腰を掴み、ディルクは自身の身体へと密着させた。
「気持ち良い事をしよう。」
サラのうなじに、ディルクの唇がそっと触れる。
(触るなよ!!)
その余りの気持ち悪さに、サラはディルクの腕を払いのけると、逃げるようにしてディルクの身体から離れた。