【進撃の巨人】 never ending dream R18
第19章 咽び泣く~居場所~●
「こんな所で何をしているんだ?」
サラはそう問い掛ける。
ドアを開けると、そこには腕を組み、壁へともたれるミケの姿があった。
「いや…随分と騒がしかったんで…。
様子を見に来ただけだ。」
そう言いながら、ミケはフッとサラから視線を外す。
大きく開いた胸元から覗くサラの谷間を、直視する事が出来なかったのだろう。
全くこちらを見ようとしないミケの耳が、わずかに紅く染まっていた。
「…何だよ…もう。」
サラはそうつぶやくと、部屋の中へと戻り、ハンガーにかけられたキャメル色のジャケットを手に取った。
「ちょっと、サラ!?
何してるの!?」
驚くナナバを押しのけ、サラはドレスの上からジャケットを羽織る。
「これが私の“正装”だ。」
そう言うと、サラはそのまま部屋を出た。
ふと、思い出したように、サラは部屋の中で目くじらを立てるナナバへと振り返る。
“彼の好きな人を、私も好きだから。”
いじらしいナナバの言葉が、サラの胸を強く締め付けていた。
「ナナバ…私も君の事が好きだよ。」
はっと驚くような表情を浮かべるナナバへと、サラは子供のような無邪気な笑顔を見せる。
自由の翼をまとったサラは、コツンコツンとハイヒールを鳴らし、足早にリヴァイの待つ馬車へと向かった。