【進撃の巨人】 never ending dream R18
第19章 咽び泣く~居場所~●
「おい。いい加減にしろよ、クソメガネ。
前回、多大な犠牲を払ってまで捕獲したあの“不細工”な巨人も、お前がヘタにいじくり回して殺しちまっただろう?
あの“不細工”な巨人1体を捕獲するのに、何人の兵士が死んだと思ってやがるんだ?」
「…そ、それは。
今回はちゃんとやるさ!!
だから…何とかしてよ、サラ!!」
リヴァイの問い掛けに、ハンジは慌てふためいた様子を見せる。
前回の壁外調査で捕獲した巨人の生態調査が失敗に終わった事は周知の事実であった。
「残念だが…リヴァイの言う通りだ。
前回捕獲したあの“不細工”な巨人から新たに得られた情報は1つも無かった。
巨人捕獲によって私達が得られる物に比べ、あまりにも犠牲が大きすぎる。
今回は諦めてくれ。」
悔しそうに唇を噛みしめるハンジの顔をそっと見つめながら、サラはそう告げる。
先ほどまでの勢いが嘘のように、ハンジは肩を震わせ、うつむいてしまった。
「…ちょっと、待ってよ。
2人とも、そんな言い方ないだろ…。
アルフォンスは確かに“個性的”だったけど…笑った顔はすごく可愛かったんだ!!
私の顔を見ると、大きな口を開けて笑ってくれた!!
君達に“不細工”呼ばわりされる筋合いは無いよ!!」
まるっきり論点がずれてしまっている事にも気付かず、サラとハンジは「“不細工”だ。」「“不細工”じゃない。」と水掛け論を繰り返す。
「巨人なんざ、どいつもこいつも面白ぇ面だろ。」と、リヴァイは隣で紅茶をすするミケへと問い掛けた。
そんなリヴァイに、ミケは鼻をフンと鳴らして小さく微笑んだ。
その時だった。
コンコンコンと、ドアを強くノックする音がした。
「はい。どうぞ。」
すかさずサラが返事を返す。
ドアを開け、団長室へとて入ってきたのは、大きな木箱を抱えたナナバだった。