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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第19章 咽び泣く~居場所~●


848年



「ちょっと、待ってよサラ!!
巨人の捕獲が出来ないって、どういう事だよ!?」

「仕方ないだろ。
今回も予算が足りないんだ。」



腕を組み、ため息をつくサラへとハンジが詰め寄る。

机を叩き、今にもサラへと襲い掛かる勢いのハンジに、リヴァイは壁際のソファーにもたれながら冷ややかな視線を送った。



次回の壁外調査の日程が決まり、調査兵団本部では団長であるサラ、各分隊長、そして兵士長であるリヴァイによって会議が開かれた。

会議終了後、サラと紅茶を飲もうと思い、団長室を訪れたリヴァイであったが、そこには既にハンジとミケの姿があった。



「ミケ…お前はサラに何の用事だ?」

リヴァイは紅茶をすすりながら、壁にもたれるミケへと問い掛ける。

「ハンジが暴走しないようについているだけだ。」

ミケがポツリとそう答えた。



だったら早くハンジを連れてここから出ていけよとリヴァイは思う。

しかし、巨人の話とならばハンジを止められる者はいないだろうと、リヴァイは困り果てた表情のサラを見つめた。



「良かったらお前が飲め。冷めちまう。」

「あぁ。頂くよ。」

リヴァイはミケへとティーカップを手渡す。

サラのためにといれた珍しい紅茶を、なぜ男ふたりで飲まなくてはいけないのかと、リヴァイは深いため息をついた。





「ハンジ…君が巨人の生態研究に力を注いでいるのは誰もが知っている。
巨人の生態解明は私達人類にとっても最重要課題だ。

しかし…私達が壁外調査へとつぎ込む事が出来る予算には限りがある。

ウォール・マリアが陥落してしまった今、優先すべきはシガンシナ区までの順路を作成する事だ。

どうか…分かってほしい。」



「予算、予算って…。
それを何とかするのがサラの仕事だろ!?」



耳をつんざくハンジの声が、団長室に響いた。





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