【進撃の巨人】 never ending dream R18
第19章 咽び泣く~居場所~●
「サラ、歳はいくつだ?」
「…5歳。」
「そうか。5歳か…。」
落ち着きを取り戻した私を膝に乗せ、男は優しく微笑む。
穏やかなその口調、時おり私の頭を撫でる大きな手に、私はすっかり心を開き、心地よさすら感じていた。
「私の娘も5歳だった。」
男はそう言うと、机の上に置かれた肖像画を手にとる。
額に入れられた小さな肖像画。
そこには私と同じ歳ほどの少女と、その少女を優しく見守るかのように微笑む女性の姿が描かれていた。
「伝染病だった…。
こんなにも愛おしいのに…もう会う事が出来ないんだ。
こうして膝に乗せてやる事も、抱き締めてやる事も出来ない。
涙を拭ってやる事も出来ないんだ…。」
その意味を、あの時の私はきっと理解出来ていなかっただろう。
ただ、悲愴感漂う男の表情を見ていると…胸が激しく痛んだ。
私はそっと男の頭を撫でる。
「…泣かないで。」
男が私にしてくれたように、私も男の頭を撫で続けた。
「サラ…。」
男の腕が私を強く抱き締める。
「…いっ…痛いよ。」
「サラ…お前は可愛いな。」
男の声が震えていた。