【進撃の巨人】 never ending dream R18
第19章 咽び泣く~居場所~●
その日から私達は、クレアと一緒であれば、兵舎や庭を自由に行動する事が出来るようになった。
毎朝、私達を残して父が部屋を出ると、決まってクレアがやって来た。
クレアと絵を描いたり、絵本を読んだり…。
兵舎の中でのかくれんぼでは、いつも私の事を見付ける事が出来ないと、クレアは嘆いていた。
中庭の花壇で花の手入れをするクレアの手伝いもした。
一緒に食堂で食事をし、一緒に女子棟の風呂に入った。
メラニーは、「子守も大変だね。」と言ったが、「2人とも自分の子供のように可愛いの。」と、クレアは笑顔で答えていた。
この頃からだろうか…弟の周りには常に大勢の兵士達の姿があった。
「トージ君、おしゃべり上手になったね。」「トージ君、かけっこ早くなったね。」と、人懐っこい弟に、皆が夢中になっていた。
気が付けば、弟が「とーさん、とーさん。」と泣く事も無くなっていた。
そして、気が付けば…私は“サラちゃん”ではなく、“トージ君のお姉ちゃん”と呼ばれるようになっていた。
しかし、クレアだけは私を“サラちゃん”と、優しく呼んでくれた。
大好きなクレア。
私のお姫様。
でも…私は気付いていた。
いつもクレアが脚を引きずるように歩いている事に。