【進撃の巨人】 never ending dream R18
第19章 咽び泣く~居場所~●
食堂へ着くと、大勢の兵士達がテーブルを囲み、ガヤガヤと賑やかに食事をしていた。
その中を、クレアに手を引かれた私達は、奥のテーブルへと進む。
兵士達は物珍しそうな視線を私達に向けるが、特に気にとめる様子もなく、雑談を交えながら食事を続けた。
私は兵士達の視線から逃れるように、クレアの陰へと隠れる。
兵士達の醸し出す独特の雰囲気が、やはり私には怖かった。
「ここでちょっと待っててくれるかな?」
クレアは私達を奥のテーブルへと残し、パンとスープを取りに行った。
「クレア…。クレア…。」と、弟は今にも泣き出しそうな声をあげる。
「大丈夫だよ。クレアはどこにも行かないよ。」と、私は弟をなだめた。
その時だった。
「君達がエルヴィン分隊長の子供?」
そう声を掛けてきたのは、背の高いショートカットの女性だった。
「私はメラニー。
クレアとは同期で同じ分隊だ。
…って、言っても分からないか。」
そう言うとメラニーは、弟の顔を覗き込み、「それにしても小さな手だねぇ。」と、弟の手を握った。
今にも泣き出しそうだった弟の表情が、嬉しそうな笑顔へと変わっていた。