【進撃の巨人】 never ending dream R18
第18章 咽び泣く~親を夢む~●
「リヴァイ…昨日はありがとう。」
「何だいきなり。
気持ちの悪い奴だな。」
真っ直ぐとリヴァイを見つめ、突然礼を告げるサラを、リヴァイはフッと鼻で笑う。
そんなリヴァイを見て、サラもふふっと子供のように笑った。
「昨日、君に父の話をしたからなのか…今朝、父の夢を見たんだ。」
そう言うとサラは、穏やかな表情を浮かべ、窓の外を眺める。
昨日まで空を覆い尽くしていた灰色の雲は消え、抜けるような青空が広がっていた。
「夢の中で父は、私に何かを言っていたような気がするが、あまりよく覚えていないんだ。
ただ…目が覚めた時、心が温かかったんだ。
だから、きっと良い事を言っていたんだと思う。」
窓から入り込む冬の柔らかな日差しに目を細め、サラは父であるエルヴィンを想う。
透き通る青い瞳が、わずかに滲んだ。
「…そうか。」
「えぇ。だから…ありがとう。」
心からの笑顔を、サラはリヴァイへとおくった。