【進撃の巨人】 never ending dream R18
第18章 咽び泣く~親を夢む~●
847年
カーテンの無い窓から差し込む朝の光に、サラはそっと目を覚ました。
遠くからは、鳥の鳴き声がかすかに聞こえる。
「…リヴァイ?」
たしか昨日は、リヴァイが隣で紅茶を飲んでいたはずだ。
そして、わずかに紅茶の味が残るリヴァイの唇へと、キスをした…。
そう思い、サラは慌てて部屋を見渡すが、そこにリヴァイの姿は無い。
ソファーで眠りに落ちたリヴァイのためにと、兵舎から持ってきた毛布は、サラの肩へと優しく掛けられていた。
サラは大きく伸びをすると、胸元に輝くループタイを握り締める。
トクントクンと、心臓が優しく波打つ。
そっと顔を上げ、机の正面に掛けられた、父であるエルヴィンの肖像画を見つめた。
(父さん…。)
サラの顔が思わずほころぶ。
まるで春の木漏れ日の中にいるような、そんな穏やかな感情が、サラの中に溢れていった。