• テキストサイズ

【進撃の巨人】 never ending dream R18

第18章 咽び泣く~親を夢む~●


「…父さん…。
母さんは…いつ…帰って来るの…?」



そう父へと問い掛けた言葉とともに、私の瞳からはまた涙が溢れ出した。

父を困らせたかったわけではない。

ただ…“すぐ帰って来るよ。”と、父の口から言ってほしかった。





父は少し困ったような表情を浮かべ、泣きじゃくる私の頭をクシャクシャと撫でる。



そして…私の身体を優しく抱き寄せた。





「母さんは…もう、帰らない。」



「…どうして…?」



「どうしてもだ。」



父の腕が、私の身体をきつく抱き締める。

先ほどよりも強く、父の香りがした。





父の大きな腕に守られ、私はただ泣き続けた。





その日の夜、シガンシナ区にある私達の家は放火され、全焼した。





翌朝、後処理のために再びシガンシナ区へと向かう父の姿を、兵舎の窓から眺めていた。

弟は「かーさん、かーさん。」と泣き続けたが、私の瞳から涙が落ちる事はもうなかった。





母さんはもういない。

帰る家もなくなった。

私達は、ここで暮らすしかないんだ。





そう思った。





/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp