【進撃の巨人】 never ending dream R18
第18章 咽び泣く~親を夢む~●
「…まだ寝ていなかったのか?」
ドアを開けるなり、部屋の隅にたたずむ私へと、父は問い掛ける。
泣いていた事を悟られまいと、私はワンピースの裾を強く握り締めた。
黙り込んだままうつむく私を見て、父はクローゼットの中からシャツを1枚取り出した。
「着替えたほうがいい。」
そう言いながら、父は大きなシャツを私に手渡す。
私はシャツを受け取ると、テーブルの陰に隠れ、着替えを始めた。
ワンピースを脱ぎ、父の大きなシャツに袖を通す。
ほんのりと父の香りがする大きなシャツ。
裾が床にまで付いてしまうそのシャツのボタンを、私はなかなか留める事が出来なかった。
そんな私を見かねてか、父は私の前にしゃがみ、シャツのボタンを1つずつ優しく留めてくれた。
「すまないが、今日はこれで我慢してくれ。」
父の声はやはり、ひどくかすれていた。