【進撃の巨人】 never ending dream R18
第18章 咽び泣く~親を夢む~●
泣けば泣くほど、呼吸は苦しくなり、小さな私の胸を締め付けた。
身体が徐々に痺れていく。
とめどなく溢れる涙で、この世界が歪んで見えた。
ふと、強く握り締めていたワンピースの裾が土で汚れている事に気付く。
父が私に似合うだろうと買ってきてくれたワンピース。
絵本の中に出てくるお姫様のようなワンピース…。
“サラはお姫様になりたいのか?”
“うん。お姫様になりたい。”
絵本の中に出てくるお姫様に夢中な私に、父は優しく問い掛ける。
そんな父に、私は笑顔で答えた。
ほんの数ヶ月前の父との会話を、私は思い出していた。
お姫様になんてなれなくてもいい。
お姫様になんてなれなくてもいいから…母さんに会いたい。
母さんに会いたい。
母さんに会いたい。
廊下を歩く足音が聞こえた。
父が戻ってきたのかもしれないと、私は急いで涙を拭う。
ワンピースの袖が、涙でグシャグシャに濡れた。