【進撃の巨人】 never ending dream R18
第18章 咽び泣く~親を夢む~●
いつの間にか眠ってしまっていた私は、アルレルト夫妻の話し声で目を覚ました。
ふと、トイレに行きたくなった私は、弟を起こさぬよう、アルレルト夫妻の声がする方へと向かう。
わずかに開いたドアの隙間から、アルレルト夫妻の会話に聞き耳をたてた。
「…やはり、あの噂は本当だったんだな。」
「だからって…あんまりじゃない。
あの子達はこれからどうなるのよ。」
「王政府の方針だ。
外の世界に興味を持つ事自体がタブーとされているんだ。
外の世界の文化を持ち込むなど、王政府にとって、あってはならない事だったのだろう。」
ふたりの会話の意味を、この時はまだ理解する事が出来ていなかっただろう。
ただ…母の事を話しているのだという事は、なんとなく分かった。
「母さん…、どこに行ったの?」
私はアルレルト夫妻の家を飛び出し、自分の家へと向かっていた。
温かいご飯を作り、いつも私達の帰りを待ってくれていた母。
もしかすると、母さんが帰って来ているかもしれない。
真っ暗な草むらを走り、私は自分の家へと急いだ。