【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
空に浮かぶ大きな雲が、その形を崩しながら風に流される。
一体、何人がシガンシナ区壁門へとたどり着けたのだろうか?
木々の間から徐々に見え始めてきた故郷の壁を、サラはただ真っ直ぐと見つめていた。
「本隊は既に壁内へと帰還している頃だろう。
被害の大きさが気になる。
先を急ぐぞ。」
そう言いながら、ミケは馬の速度を上げる。
その後ろを、サラは黙ったまま走り続けた。
シガンシナ区壁門が間近に迫る。
サラは手綱を強く握りしめ、大きく息を吸い込んだ。
何度経験しようとも、この瞬間ばかりは言葉では言い表せないほどの悔しさが押し寄せる。
それと同時に、また自分は生かされてしまったのだと、壁外で命を落とした仲間達への罪悪感が込み上げた。
カンカンカンと、調査兵団の帰還を知らせる鐘が、シガンシナ区へと響き渡る。
その音は、壁門の目前にまでたどり着いたサラ達にも聞こえていた。
「本隊か?
まさか、今帰還したのか?」
「随分と遅いな。
俺達よりもはるか前を走っていたはずだが…。」
嫌な予感がした。
妙な胸騒ぎが、再びサラを襲う。
(キース団長、そしてモーゼス分隊長…。)
本隊の前衛にいるであろう指揮班へ向け、サラは馬を走らせた。