【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
「サラさん、言いましたよね?
強い男が好きだって。
口説きたかったら強くなりなさいって。
見てて下さい。
俺、強い男だって証明しますから。」
「おい!!待て!!
無駄な戦闘はするな!!」
巨人へ向けて馬を走らせるローターを、サラは後ろから追う。
調子に乗りやすいローターの性格には、ほとほと嫌気がさす。
複数体の巨人の単独討伐は、熟練兵士であっても至難の業だ。
サラは殺気立つローターの背中を必死に追いかけた。
その時だった。
ドンッ!!と、大きな音を立て、森の中から伸びた巨人の大きな手が、サラを馬ごと吹き飛ばした。
地面に身体を打ちつけ、全身に激痛が走る。
口の中には血の味が溢れ、目の前には火花が散った。
ぐったりとしたサラの片脚を、森から伸びた巨人の大きな手が掴む。
「クソッ!!」
巨人の手によって森へと引きずり込まれるサラの目に飛び込んできたのは、2体の巨人に囲まれたローターの姿だった。
森の中には、20mを超える巨体を横たわらせ、口元からはだらしなくヨダレを垂らす醜い巨人がいた。
巨人はサラの顔を見るなり、耳まで裂けた大きな口を開ける。
地の底から湧き上がるような唸り声がサラの鼓膜を揺らした。
「悪いが…お前に用は無いんだよ。」
サラは低く抑揚の無い声を吐くと、剣を抜き、脚を掴む大きな手を鋭く斬りつけた。
汚いうめき声をあげる巨体から、大きな手がドスンと落ちる。
巨人の大きな手から解放されたサラは、地面に倒れたまま、巨人の両目へとアンカーを打ち込んだ。
ジタバタともがき苦しむ巨人の頭上を、立体機動装置で移動する。
目を押さえ、うつ伏せになった巨人のうなじを一気に削ぎ落とした。
むせかえる蒸気の中、サラは鈍く痛む身体を何とか動かして馬へ飛び乗ると、2体の巨人と応戦中であろうローターのもとへと急ぐ。
「ローター…君にここで死なれちゃ困るんだよ…。」