【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
巨人の頭上高く舞うローターの姿が見えた。
しなやかに身体を降下させ、刃で鋭く斬り込む。
無駄の無いその動きは、まるでサラそのものだった。
地面にはうなじを削がれ、蒸発を始めた巨人が1体倒れていた。
2体目の巨人も、鋭いローターの一撃により、地面へと倒れ込んだ。
一体いつの間にこの様な戦い方を学んだのだろうと、サラは思わず息を飲む。
毛布にくるまり、身体を震わせていた昨晩のローターが別人のように思えた。
もともと討伐の腕はあるものの、感情に左右されやすいローター。
これまで4体の巨人を単独で討伐した事により、自信と度胸が備わったのだろう。
蒸発する巨人の間に立つローターの姿が、未熟なれど勇ましく見えた。
「サラさん、約束通り俺とセックスして下さいね。」
駆け付けたサラへ向け、ローターが笑みをこぼす。
「そんな約束はしていない。
それより…見事だったよ。」
剣を鞘へと納めながら歩み寄るローターへ、サラも穏やかな笑みを向けた。
「俺、サラさんの戦い方が好きなんです。
巨人の頭上高くから、身体を一気に降下させて削ぐ。
だから…いつも見ていたんです。
俺もサラさんのようになりたいと。
サラさんの姿を見て、覚えたんですよ。」
そう話すローターの顔には笑顔が溢れていた。
「早く馬に乗れ。
無事帰還出来たら、食事くらいご馳走するよ。」
サラはローターに背を向け、剣を鞘へと納める。
「待ってくださいよ。」と、甘えたような声を出すローターに、サラはふふっと小さく笑った。