【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
出来る限り、巨人との戦闘は避けた。
馬の最高速度で振り切れるものであれば、振り切った。
それでも、やむを得ずに応戦しなければならない巨人も多くいたが、幸い、その全てが通常種であったため、何とか凌ぐ事が出来た。
「俺、今日だけで討伐数4体ですよ。」と、ローターが得意気に話す。
「あまり調子に乗るなよ。」と、サラは口をとがらせるが、巨人の恐怖に打ち勝つ事が出来たのだろうと、ローターを優しい眼差しで見つめた。
しかし、前日に本隊が野営を行ったはずの第2補給所へと近付くほど、巨人の数は増す一方だった。
まるで第2補給所へと巨人が集まって来ているようだと、サラは思う。
巨人が集まる理由…。
それは、人間の死体がある事を意味していた。
「ローター!
第2補給所へは行かずに、このまま一気にシガンシナ区壁門を目指す!
何としてでも日暮れまでにはたどり着くぞ!」
後ろを走るローターへと、サラは叫ぶ。
第2補給所付近には、巨人に食い殺された兵士達の遺体が数多く転がっているだろう。
遺体を回収する間もなかったという事は、本隊の壊滅的被害を表している。
感傷的になっている場合ではない。
兵士達の遺体へと巨人が群がっているすきに第2補給所を迂回し、シガンシナ区へと帰還すべき。
そう思い、サラは手綱を強く握り締めた。
その時だった。
「サラさん!!」
後ろを走るローターが叫んだ。
振り返ると、ローターは遠くを指差しながら、サラへと真剣な眼差しを向けている。
ローターの指差す先には、こちらへと向かって来る2体の巨人の姿があった。
4~5m級だろうか、動きもさほど速くはない。
このまま振り切れるだろうと、サラは馬の速度を速めようとした時だった。
「サラさん。
あの巨人2体、俺がひとりで倒したら、サラさんは俺の事認めてくれますか?」