【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
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ズシン、ズシンと、地面を揺らす足音が先ほどよりも近付いていた。
「後方から15m級と20m級の2体…。
やり過ごすのは難しそうだな。」
そう言いながら、サラは隣を走るローターへと視線を向ける。
多少なりとも強張った表情をしているが、大きく取り乱した様子は無い。
「15m級を君に任せても大丈夫か?」
サラの問い掛けに、ローターは「やるしかないじゃないですか!!」と、自らを鼓舞するかのように叫んだ。
「あの森まで引き付ける。
森に入ったと同時に立体機動に移れ。
そこで一気に撃つ。
いいか、決して森の奥へは入るな。
他の巨人が隠れているかもしれない。」
「はい!!」
剣を抜き、馬の速度を上げる。
それに合わせるかのように、後ろから迫り来る巨人達の脚も速さを増した。
森が近付く。
サラは手綱を強く握り締め、鐙の上へと立った。
「いくぞっ!!」
並走して走るローターとともに、サラは木へとアンカーを打ち込む。
馬から木へと飛び移り、突進してくる巨人の背後へと回った。
巨人のうなじ目掛け、勢い良く身体を降下させ、刃で鋭くえぐり取る。
真っ赤な血しぶきとともに、沸き立つ蒸気が辺りを包んだ。
「サラさん、やりました!!」
蒸気の中、剣をかざし、安堵の表情を浮かべるローターの姿が見えた。
2人は再び木へと移動する。
蒸発し続ける巨人の身体を見つめながら、ローターがフッと笑い出した。
「俺…初めて1人で巨人を倒しました。」
「君は立体機動の腕もさる事ながら、勘が鋭く、的確に行動が出来る。
君なら単独での討伐も充分可能だ。
言っただろ?
君は良い兵士になると。」
血振りをし、剣を鞘へと戻しながら微笑むサラの言葉に、ローターは恥ずかしそうに笑った。