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【進撃の巨人】 never ending dream R18

第17章 強く結ぶ~決別~


毛布の中で身体を包み込んでいたローターの腕を振りほどく。

「もう横になったほうがいい。」と、サラは優しくローターの頬に触れた。

ローターの表情が次第に曇っていく。
再び恐怖心が襲ったのだろうか、ローターの青ざめた唇がわずかに震えていた。



「サラさん…お願いです。
今日は…一緒に寝て下さい。

怖いんです。

俺…前回の壁外調査ではほとんど巨人を見なかったんです。
なのに…今回はこんな事になるなんて…。

巨人が…壁外がこんなにも恐ろしいものだったなんて知らなかった。

目を閉じると聞こえるんです。
巨人が仲間の骨を砕く音が…。

サラさん、お願いです。
ひとりにしないで下さい。」



そう訴えるローターの瞳には涙が溢れていた。
サラの腕を掴む手は、先ほど以上に震えている。

いつもふざけてばかりのローターが見せる弱さに、サラはふと、弟を思い出す。

いつも笑顔で、いつも輪の中心にいた弟が見せた悲痛な姿。
最期に交わした言葉。



“俺のせいで…”



サラはずり落ちた毛布をローターの肩へと掛け直す。
ローターの頬を伝う涙を拭うと、震える大きな身体を優しく抱き締めた。



「今日は朝まで一緒にいるから…もう何も考えるな。」



再び向かい合うように毛布へとくるまる。
胸へと顔を埋めるローターを抱きしめたまま、サラはそっと床に身体を横たわらせた。



「怖くないよ。」



泣き疲れ、微睡みはじめたローターの頭を撫でながら、サラはそっと眠りに落ちた。





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