【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
「あの日から、サラさんは俺の憧れの人なんです。」
「そうか…君は“憧れの人”に酒を飲ませ、無理やり関係を迫ろうとするような男なんだな。」
「あっ…あれはただ…。」
墓穴を掘り、慌てて弁解しようとするローターを、サラはなぜか憎む事が出来なかった。
ローターの慌てふためく様子が、どこか可愛いとすら思えた。
「君の事だ。
どうせ下心だけで調査兵団を選んでしまったんだろ?」
全てを見透かしたような微笑みで、サラはローターへと尋ねる。
核心をつかれ、黙り込んだローターは、サラの身体をきつく抱き締めた。
「確かに…俺は王都の女にモテたいがためだけに憲兵団を志していたような、ふがいない男でした。
でも、あの日初めて見たサラさんの美しさに、俺は心を奪われたんです。
そして…思いました。
これは“恋”だと。」
そう話すローターの口調はどこか冗談めいていて、隙をついて抱き付きたかっただけのようにもとれた。
「君の言う“恋”は、心ではなく瞳に宿したものだ。
残念だがそのような“まやかしの恋”はすぐに消えてなくなるだろう。」
サラは抱き付くローターを押しのけ、冷ややかな言葉を吐いた。
「サラさんって、本当に俺には冷たいですね。
傷付きます。」
しゅんとした様子のローターへ「調子に乗るなよ。」と、サラは笑った。
「でも…一度でいいからサラさんとセックスしたかったです。」
すねた子供のような口調でローターがつぶやいた。