【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
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「サラさん…痛いです…もっと優しくして下さいよ。」
「うるさい、黙れ。これくらい我慢しろ。」
ランプの明かりを頼りに、サラはパックリと割れたローターの腕の傷を縫合していく。
歯をくいしばり、痛みに耐えるローターの身体がわずかに震えていた。
第24回壁外調査開始から3日が経とうとしていた。
シガンシナ区南端の壁門を出発したキース率いる調査兵団一行は、最終目的地である第4補給所へと向かうまでに、約4割の兵士を失った。
そのほとんどがローターと同期の新兵である。
これ以上の被害は調査兵団の存続にも関わると、陣形を組み直し、生きて帰還する事を優先すべきとのモーゼスの意見を、キースは頑なに拒み続けた。
連鎖していく不安と恐怖を胸に、第4補給所から出発した調査兵団一行を、奇行種を含む複数の巨人が襲ったのは今朝の事である。
特にサラとローターが所属する攻撃班が配置されていた後方部隊には巨人が集中し、討伐のため、その場に留まったサラ達は本隊とはぐれてしまった。
このままでは本隊と合流する前に日が沈む。
サラの指揮のもと、第3補給所へと向かった攻撃班であったが、無事に補給所へとたどり着けたのはサラとローターの2人だけだった。