【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
階段を上り、屋上へと繋がるドアを開く。
「モーゼス分隊長、おはようございます。」
そう言いながら、サラは力強い敬礼をする。
調査兵団本部の屋上には、モーゼスの姿があった。
「眠れたか?」
モーゼスはそう尋ねながら、サラへと優しく微笑む。
「いえ…いつも通りです。」
サラは恥ずかしそうに笑った。
空は徐々に明るさを帯び、闇に隠れていた雲の形がうっすらと姿を現しはじめていた。
他の兵士達も起き出す頃であろう。
モーゼスはサラへと近付くと、真剣な表情で問いかけた。
「お前は…どう思う?」
今回の壁外調査における作戦の事であろうと、サラは険しい表情でうつむく。
キースにより考案された陣形による作戦は、ここ数年、エルヴィンの指揮のもと実行されてきた作戦とは大きくかけ離れたものであった。
策敵陣形を一切用いずに5つの班を構成し、各班には討伐に優れている兵士を集めた“攻撃班”を置くという至って単純なものだ。
しかし、壁外の探索活動よりも巨人の討伐を優先すべく立てられた作戦であるだけに、これまで以上に巨人との遭遇率は高く、多大な犠牲者が出るであろう事は目に見えていた。
全ては討伐に優れている兵士の力量にかかっていると言っても過言ではないこの作戦を危惧する者も多かった。