【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
「私が留守の間、好きに使ってくれてかまわない。」と、サラは部屋の鍵を鏡台に置いた。
ベッドでこちらを見つめているリヴァイの切なげな表情に、胸が痛くなる。
マントをまとい、サラは部屋を後にすると、兵舎から本部へと繋がる渡り廊下を歩き、まだ薄暗い調査兵団本部へと向かった。
遠くから聞こえる鳥の鳴き声とともに、コツンコツンとサラの足音だけが辺りに響く。
今回の壁外調査が失敗に終われば、サラの退団処分は確実だった。
保留となっていたリヴァイの身柄引き渡しも間違いないだろう。
切迫感からか、サラの心はいつまでも落ち着かずにいた。
これから壁外へ行くというのに、自分の弱さばかりが際立って見える。
冷たい空気を吸い込むサラの胸が、ひどくざわめいた。
心を整えるべく、薄暗い空を仰いだサラの瞳に、ふと、調査兵団本部の屋上にたたずむ人影が目に入った。
マントをまとい、腰には既に立体機動装置を着けている人影。
向こうもサラに気付いたのだろう、こちらへと向き直ると、力強い敬礼をした。