【進撃の巨人】 never ending dream R18
第17章 強く結ぶ~決別~
窓の外からは、夜明けを告げる鳥の鳴き声が聞こえた。
この腕を解いてしまえば、サラは壁外へと行ってしまう。
もう少しこのままでいたいと、リヴァイはサラの身体を離せずにいた。
「リヴァイ…君は言わないのか?」
サラがささやくように問いかける。
「何をだ?」
リヴァイはサラの身体を抱き締めていた腕を緩め、そっとサラの透き通る青い瞳を見つめた。
「“死ぬな”とか…“生きて帰って来い”とか…。
普通はそういう事を言うもんだろ?」
ふふっと笑いながら、サラは冗談めいた口調で答えた。
一体この女はどこまでが本気で、どこからが冗談なのか分からないと、リヴァイは呆れた表情を浮かべる。
屈託のない笑顔を浮かべながら顔をのぞき込むサラの頬に、リヴァイは優しく触れた。
ふと、サラが以前、壁外で言っていた言葉をリヴァイは思い出す。
“私は兵士だ。
壁外へ出る以上、いつどの様な形で自分の命が朽ちようとも…後悔は無い。”
きっと…この言葉が全てなのだろうと、リヴァイは思った。
「お前は…巨人に食い殺されるような女じゃねぇだろ。
もし…食い殺されるような事があったら、それはお前の寿命だっただけだ。」
そう言い放つリヴァイへと、サラは憂いを含んだ微笑みを返した。
「ありがとう。」
瞳を潤ませ、サラはそっとリヴァイに口づける。
柔らかなサラの唇がわずかに震えていた。
必ず帰って来いよと…言葉には出せぬ想いを込め、リヴァイは再びサラを強く強く抱き締めた。