【進撃の巨人】 never ending dream R18
第16章 強く結ぶ~嫉妬~●
「キース団長…あなたほどの方がどうして突然調査兵団を去り、訓練兵団の一教官に退いてしまったのか…ずっと謎でした。」
そう答えるサラへ、キースは深い哀愁のこもった眼差しを向ける。
その眼差しに胸を痛めながらも、サラはキースの手を強く握り続けた。
「半年前…お前が突然、訓練所を訪ねて来た時は驚いた。
とうの昔に捨て去ったはずの苦悩と後悔の日々が鮮明に蘇ったよ。
それと同時に、俺の中にはまだ壁外へ対する未練が残っているのだと気付かされた。
“過去の清算”をする時が訪れたのだと…そう思った。
そして、今こうして“団長”という形でここへ戻って来た。
これも運命なのだと思う。
サラ…。
俺は次回の壁外調査に全てを賭けるつもりだ。
先日話した通り、お前を指揮班に置く事は出来ない。
不満もあるだろう。
しかし…俺を信じて欲しいんだ。
調査兵団“団長”としての生き様を、どうか見届けてほしい。」
「…はい。」
穏やかな笑みを浮かべ、キースの手を握り続けるサラの小さな手を、キースは力強く握り返した。