【進撃の巨人】 never ending dream R18
第16章 強く結ぶ~嫉妬~●
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医務室のドアを開けると、1番奥に置かれたベッドのカーテンが閉められていた。
サラはカルテを見つめる常駐の女性医師に礼をすると、カーテンが閉められた奥のベッドへと近付く。
「キース団長、お身体の具合はいかがですか?」
そう問い掛けるサラへ、カーテンの中からキースの声がした。
「あぁ…。サラか。入れ。」
サラはゆっくりとカーテンを開けると、ベッドに横たわるキースへと敬礼をする。
そんなサラの顔を見て、キースは穏やかな表情を浮かべた。
「書類の作成が終わりました。
後は、キース団長のサインだけです。」
「…ずいぶん早かったな。」
そう言いながらキースは、ベッドの横に置かれた椅子へと座るよう促す。
椅子に腰を下ろしたサラは、ベッドに横たわったまま顔だけをこちらへ向けるキースを見つめた。
少しではあるが、顔色が良くなったようにも見える。
サラは憂いを含んだ笑みを、キースへと向けた。
キースが団長室で倒れていると知らせが入ったのは、今朝の事であった。
キースの命により、団長室への入室を禁じられたサラに変わり、朝食を届けに行った兵士が、机の横で倒れているキースを発見したそうだ。
次回の壁外調査へ向けての取り決めや訓練の指揮に加え、度重なる徹夜での書類作成の疲労が爆発したのだろう。
医務室に運ばれた直後のキースは、顔が青ざめ、歩く事さえままならない状態であった。