【進撃の巨人】 never ending dream R18
第16章 強く結ぶ~嫉妬~●
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壁に掛けられたランプへと炎を灯す。
ぼんやりとした明るさをまとった談話室の椅子へと、サラは深いため息をつきながら腰を下ろした。
“誰にも聞かれたくない話なので、消灯時間が過ぎてから談話室に来て下さい。”
昼間の訓練場で、ローターはそうサラに告げた。
ふと、時計に目をやると、既に消灯時間は過ぎていた。
2日振りに参加した訓練のせいなのか、身体には心地良い疲労感が漂っている。
早くベッドに入り、休みたい。
サラは椅子にもたれ、そっと目を閉じた。
談話室のドアが開く音がした。
サラは慌てて椅子にもたれていた身体を起こす。
居眠りをしてしまっていたのだろう。
廊下を歩くローターの足音にも気付かなかった。
「サラさん、お疲れのところ、お時間を頂いて申し訳ありません。」
そう言いながら、ローターはテーブルを挟んだサラの正面の椅子へと腰を下ろす。
「いや、いいんだ。
それより、何の相談だ?」
サラは眠い目をこすりながら、ローターに向き直った。
「サラさん、温かい飲み物でもいかがですか?」
ローターは大き目のカップが2つ並ぶトレーを、テーブルへと置く。
「悪いが…私は紅茶が苦手なんだ。」
「いえ、紅茶ではありません。ホットミルクです。」
そう笑いながら差し出された大き目のカップを、サラは両手で受け取った。
両方の手のひらから、温かさが全身に伝わる。
サラはホットミルクを一口飲み込むと、思わず顔をほころばせた。
「美味しいよ。ありがとう。」
そう言いながら、サラは穏やかな笑みを向ける。
「サラさん、初めて俺に笑ってくれましたね。」
ローターが恥ずかしそうに微笑んだ。
「君が真剣に訓練さえしてくれれば、私はいつでも笑顔で接するよ。」
サラは笑いながらそう言うと、美味しそうにホットミルクを飲み続けた。