【進撃の巨人】 never ending dream R18
第16章 強く結ぶ~嫉妬~●
サラはリヴァイの頬に触れ、憂いを含んだ笑みを向けると、乱れた黒髪を整えながら、ドアの方へと向かった。
「はい。今開けます。」
ドアを開けると、そこにはモーゼスが立っていた。
兵服のせいなのか、先日会った時よりもその表情はスッキリとしたものに見える。
「おはようございます。モーゼス分隊長。
いつ、戻られたんですか?」
サラは小さく開けたドアから、身体を滑り込ませるように廊下へと出る。
部屋の中にリヴァイがいる事を知られたくはない。
サラはゆっくりとドアを閉めた。
「昨日の夜、こちらへ着いた。
それより…風邪は大丈夫なのか?」
「えぇ。もう熱も下がりましたし、今日からは訓練にも参加出来そうです。
しかし…なぜご存じなのですか?」
昨日の夜に戻ったというモーゼスが、なぜ自分の体調不良を知っているのか不思議に思い、サラは首を傾げた。
「あぁ…、昨日の夜もお前に会いに来たんだ。
その時、廊下にいた新兵からお前が風邪で医務室にいる事を知らされた。
小柄な…黒髪の男だ。」
サラはリヴァイの事だとすぐに分かった。
ドアの向こう側で毛布にくるまるリヴァイの姿を思い出し、心がトクンと波打った。
「無理するなよ。」
そう言いながら、モーゼスはサラの頭をクシャクシャと撫でる。
不意の出来事に、思わずサラは恥ずかしそうにうつむいた。