【進撃の巨人】 never ending dream R18
第16章 強く結ぶ~嫉妬~●
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4日分の薬をもらい、サラは医務室を後にする。
部屋の前の廊下に倒れているところをナナバに発見され、医務室へと運び込まれてから3日目の朝だった。
今日からは訓練に参加出来そうだ。
サラは朝日が差し込む廊下を歩きながら、乱れた黒髪をかきあげた。
ふと、部屋の鍵を掛け忘れていた事に気付く。
そもそもあまり鍵を掛ける習慣などは無かったが、丸二日も留守にしたのだから、さすがに不用心だったとサラは思う。
こんな事ならハンジにでも頼んでおけばよかったと、サラはため息をつきながら自分の部屋へと向かった。
起床時間まではまだ時間があった。
自主訓練へ向かう兵士数名とすれ違いながら、サラは幹部棟へとたどり着く。
部屋の前に立ち、ドアノブへと手をかけた時だった。
中から人の気配がした。
誰かいるのだろうか。
サラは音を立てぬよう、そっとドアを開ける。
そして、小さく開いたドアの隙間から中をのぞき込んだ。
サラの顔が思わずほころぶ。
あまりにも無防備なその寝顔に、心が優しく締め付けられた。
トクントクンと波打つ胸の高鳴りは、風邪のせいではない。
サラはそっと、ベッドで寝息を立てるリヴァイの頬に触れた。
なめらかな肌が、指先に当たる。
自分よりも随分と年上であるはずのリヴァイが、なぜか幼気な子供のように思えた。
抱き締めたい。
そんな衝動に襲われた。