【進撃の巨人】 never ending dream R18
第16章 強く結ぶ~嫉妬~●
リヴァイはサラの部屋のドアノブへと手をかける。
ギィという音とともに、扉が開いた。
全く不用心だと、リヴァイは呆れる。
しかし、開け放たれたドアからは、ひんやりとした冷たい空気とともに、わずかに石鹸の香りが漂ってきた。
瞳を閉じれば、まるでサラがそこにいるかのような錯覚に襲われる。
心が優しく締め付けられる。
リヴァイは真っ暗な部屋の中へと入っていった。
今夜は男子棟の大部屋へと戻る気にはなれなかった。
そもそも騒がしいのは昔から苦手だった。
それに加え、リヴァイがいくら掃除をしようとも、1日たりとも維持されたためしなどない。
ゴミと酒のボトルが転がる大部屋は、リヴァイにとって居心地のいい場所ではなかった。
そして、先ほどのローターの話。
今出会ったばかりのモーゼスとサラの関係。
こんなにも心をかき乱されるのはなぜだろうと、リヴァイはサラのベッドへ身体を沈める。
先ほどよりも強く石鹸の香りがした。
心がトクントクンと優しく波打つ。
その優しい波動と、わずかに芽生えた嫉妬心を胸に抱え、リヴァイは深い眠りに落ちた。