【進撃の巨人】 never ending dream R18
第15章 強く結ぶ~故郷~
「俺はずっとサラを見てきた。
アイツが12歳の時からずっとだ。
だから分かるんだが…。
アイツはお前に惚れている。
いつもアイツの視線の先にはお前がいる。
だから、これは俺の勝手な望みなんだが…」
そこまで言うとミケは、グラスにウイスキーを注いだ。
トクトクという音を立てながら、ミケのグラスが琥珀色に変わる。
空になっていたリヴァイのグラスにも、ミケはウイスキーを注ぐ。
甘く華やかな香りがリヴァイの鼻腔をくすぐった。
「もし、お前がアイツに惚れているのならば…
アイツをよろしく頼む。
アイツはああ見えて壊れやすく繊細だ。
とくに父親であるエルヴィン団長と弟が他界してからは、いつ崩壊してもおかしくないほどの危うさがあった。
しかし…お前と出会ってアイツは変わった。
変わったというよりは、戻ったといった方が正しいだろう。
また、笑うようになったんだ。
お前も知ってのとおり、調査兵団の置かれている状況は依然として厳しい。
この状況下においても、サラがかろうじて人間らしい心を保っていられるのは、間違いなくお前の存在があっての事だ。
アイツを…サラを、支えてやってくれ。」