【進撃の巨人】 never ending dream R18
第2章 出会い~団長~
「だがしかし、次回の壁外調査が実現したとして、なぜ私が同行しなければならない?
その理由は何だ?」
そう問いかけるキースへ、サラは強い眼差しを向けた。
「シャーディス教官…あなたには“調査兵団団長”として、壁外調査の指揮を執っていただきたい。」
サラの言葉に、思わずキースは吹き出した。
キースが調査兵団を去ってから、8年が経とうとしていた。
調査兵団結成以来、団長が生きたまま交代したのは初めての事だった。
調査兵団12代団長。
それが、訓練兵団教官以前のキースの姿だった。
「サラ、私は8年も前に団長を退いた。
そう、お前の父であるエルヴィンに全てを委ねてな。」
キースの脳裏に、団長時代の苦悩の日々が蘇る。
「私はお前の父の様に、有能な男ではない。」
キースの言葉はため息にも似ていた。
「それに、お前は総括会議の場で、14代団長就任を保留にして欲しいと言ったそうだな?」
「はい…。」
キースは苛立つ気持ちを抑え、サラに問いただす。
「私にはお前の考えている事が全く理解出来ない。
この危機的状況に置いて、どこに団長就任を保留にする理由がある?
お前は訓練兵団を主席で卒業し、壁外においての巨人討伐数は群を抜いていた。
だからこそ、異例の早さで分隊長を任され、仲間からの人望も厚い。
一体なぜだ?
何を考えている?」
「私には、まだやらなければならない事があります…。」
そう答えるとサラは、うつむきながらゆっくりと話し始めた。