【進撃の巨人】 never ending dream R18
第2章 出会い~団長~
「サラ、用件は何だ?」
キースは、サラに問いかける。
「茶を飲みながら世間話…という訳ではないだろう。
私も忙しい。
お前の用件は何だ?」
サラの表情が、より険しいものへと変わった。
「シャーディス教官…。
私と一緒に、壁外調査へ行ってくださいませんか?」
「何だと?」
キースは驚き、サラを凝視する。
サラの眼差しは、真っ直ぐとキースを見つめていた。
透き通った青い瞳は、キースを見据える。
その瞳から逃れる様に、キースはサラに背を向け、窓際にたたずんだ。
「次回の壁外調査は中止されたはずだろ?
議会の承認が得られず、予算が通らなかったと聞いている。」
「ええ。5日後の議会で採決されるそうですが…。
このまま何もしなければ、恐らく壁外調査は中止されるでしょう。
そして、私達が壁外へ行く事は二度と無いでしょう…。」
「では、なぜだ?」
困惑するキースを無視するかの様に、サラは続ける。
「5日後の議会を覆すための材料を揃えました。」
「それは一体どういう事だ?」
キースはサラに問いただす。
「詳しい事はまだ、お話しする事が出来ません。
全ては私の独断で行っている事なので…。」
「…お前は何か真っ当では無い手段を使おうとしているのか?」
キースの顔色が変わった。
「“真っ当では無い”ですか…。
では、“真っ当では無い”手段を使う者に、“真っ当な”手段を使う必要があるのでしょうか?」
そう問いかけるサラの表情は、純粋で無垢な…そして残酷な子供の様だった。